「刺身」は新鮮な魚を生で味わう、日本ならでの食文化です。旬の魚をいただくのは、お正月、お祝いごと、自分にとってのご褒美など特別な日が多い。
お買い得品として多めに手に入ったら、最後まで美味しく使い切りたいものです。今回はその刺身の冷凍・冷蔵保存方法、そしてレシピついてご紹介します。
刺身の選び方
美味しい魚を選ぶには鮮度のよさ、脂が乗っているかどうかなどが大切になります。
①血合いの色
時間が経つと酸化が始まるので、少しずつ黒ずんでくるのでしっかりとチェックします。刺身が入ったパックにドリップが出ていたり、ツマに浸みていたら避けるのが無難です。
②皮や身
皮にツヤと光沢があるもの、赤身の魚は赤色が鮮やかかどうかが大切。白身は鮮度が落ちると濁った色になるので、透明感があるものを選びましょう。
③切り口
刺身の切り口をチェックして、切り口が鋭くエッジが効いているかを見ましょう。時間が経つと切り口の鋭さが失われてくるので目安となります。
刺身はどのくらい日持ちする?賞味期限は1〜2日!
刺身の賞味期限は1〜2日と短く、日持ちしない食材なので、基本は買った当日に食しましょう。
マグロ・ブリなどの大型の魚は2〜3日、タイ、ヒラメなどの白身魚は1〜2日、青魚、貝類は当日中がベスト。買ったその日に使い切るものと、冷凍保存するものと分けることが大切です。
大量に買って長期保存する場合は、業務用冷凍庫で急速冷凍した切り身を買うことも選択に入れましょう。急速冷凍した刺身は劣化が少なく、風味が落ちないので重宝します。
刺身の保存方法
刺身に適した保存法を、冷蔵・冷凍に分けてお伝えします。最後まで刺身を使い切る方法を試してみてください。
刺身の冷蔵保存
刺身を保存するなら、チルド室、もしくはパーシャル室で保存しましょう。チルド室は冷凍させる直前の温度を保ち、劣化を防ぎます。
①サクの冷蔵保存
パックから取り出し、サクの水気をしっかりと取り、厚手のキッチンペーパーで包みます。金属製やアルミ製トレイ、アルミホイルをのせた皿を使い、上からしっかりとラップでカバーします。
消費期限(※問題なく食べられる期間)の目安:2日間
②ヅケにして冷蔵保存
刺身をヅケにして漬け込むと3日ほど保存が長持ちします。
しょうゆ1/2カップ、酒大さじ1、みりん大さじ1、おろししょうが小さじ1/2を保存容器に入れます。その容器に刺身を入れて一晩寝かせると美味しくいただけますが、味が濃くなるので3日以内に食しましょう。
消費期限の目安:3日間
刺身の冷凍保存
キッチンペーパーなどで水気をしっかりと取り、空気を入れないようにラップやアルミホイルで包みます。ラップした刺身をさらにジッパー付き保存バックに入れて冷凍室に入れます。
小さめの刺身は何枚かにまとめて、重ならないようにラップするとよいでしょう。サクの刺身は切らずにサクのままの方が、劣化が進まないので冷凍がおすすめです。
イカやタコは冷凍に強いので、購入したものをジッパー付きの保存バックに入れて冷凍可能です。
消費期限の目安:2週間
刺身の解凍方法
①塩水解凍
刺身は塩分濃度を1%、殻がついている魚介類の場合は3%の塩水を作ります。ボウルに塩水を入れて刺身を浸すと、20分ほどで半解凍するので料理しやすくなります。水気をしっかりとって料理に使いましょう。
②凍ったまま調理
背ワタや殻を取り除いて冷凍しているえびは、そのまま調理することも可能です。また加熱時間の長い煮込み料理も問題ないと言えるでしょう。
刺身保存の注意点
刺身を保存する場合に注意して欲しいのは「冷凍焼け」です。食材を長い間冷凍保存すると水分が抜けてしまい、食感もパサパサで風味も落ちます。
刺身の表面が変色したり、刺身の匂いが移ってしまうので早めに調理しましょう。
ワンポイントアドバイス
刺身を冷凍保存するには急速冷凍することが大切です。急速冷凍の機能がない場合は、金属製やアルミ製トレイ、アルミホイルをのせた皿を使いましょう。
保存バックに入れた刺身が重ならないようにトレイに置き、さらに保冷剤を乗せるとさらに急速になります。ちょっと手間ですが刺身を美味しく食べるためにおすすめです。
刺身を使った5つのレシピ
漬け刺身の丼
火を使わない時短レシピ
【材料】2人分 調理時間10分(寝かし時間は省略)
お好みの刺身 1サク
★濃口しょうゆ 大さじ2
★みりん 大さじ2
★すり白ごま 大さじ1
大葉 6枚
みょうが(なくても可) 2本
白ごま適量
ごはん 適量
【作り方】
①ボウルに刺身を細切りにして入れ、★を加えて混ぜ合わせ、落としラップをして冷蔵庫で1時間寝かせます。
②大葉、みょうがを細切りにします。
③ごはんを器に盛り、①の魚、②をのせ、白ごまをふりかけたら出来上がりです。
刺身のキムチ和え
お酒のおつまみになる手軽レシピ
【材料】2人分 調理時間15分
お好みの刺身 80g
白菜キムチ 40g
★しょうゆ 大さじ1
★コチュジャン 小さじ1
★日本酒(または酒) 小さじ1
★おろしにんにく 1/4かけ
酢水 (酢、水各大さじ1)
刻みネギ お好み
刻み海苔 お好み
いり白ごま お好み
大葉 適宜
【作り方】
①刺身は酢水をふりかけた後、キッチンペーパーで水気をしっかりと取ります。
②ボウルに①を入れ、★を加えてまぜ5分おきます。
③②のタレを捨て、ひと口大に切った白菜キムチを入れて混ぜます。
④大葉を皿にのせ、その上に③と刻みネギ、刻み海苔、いり白ごまをお好みでのせて出来上がりです。
サーモンのゆずこしょうカルパッチョ
サーモンのオレンジと水菜の緑が鮮やかな一品
【材料】2人分 調理時間15分
サーモン(他の白魚でも可) 150g
水菜 2株
★柚子こしょう 小さじ2
★オリーブオイル 大さじ2
★米酢 大さじ1
★しょうゆ 小さじ1
【作り方】
①サーモンは5mmの細きりにし、★は混ぜあわえておきます。
②水菜は白い部分と葉を分けてカットし、白い部分はみじん切りに、葉の部分は5cmに切っておきます。
③皿に①のサーモンをのせ、その上に水菜の葉をのせていきます。
④ボウルに★と水菜の白い部分をのせてしっかり混ぜ合わせます。
⑤③に④のドレッシングをまわしかけて出来上がりです。
マグロ刺身のハンバーグ
魚のハンバーグで脳にも良質の栄養を
【材料】2人分 調理時間20分
マグロ 150g
絹ごし豆腐 1/2丁
ほうれん草 2束
玉ねぎ 1/4個
しょうが 1/2片
くるみ(なくても可) 15g
★味噌 小さじ2
★玉ねぎ 3/4個
★しょうが 1片
★酒 大さじ2
★しょうゆ 大さじ1
★みりん 大さじ1
★米酢 小さじ1
水溶き片栗粉 適宜
大葉 好みで
サラダ油 小さじ1
【作り方】
①絹ごし豆腐はキッチンペーパーで水気を切り、マグロはミンチ状にカットします。
②しょうがはすりおろし、くるみは細かく砕き、玉ねぎはみじん切りにしておきます。
③★の玉ねぎとしょうがをすりおろして混ぜ合わせます。
④ボウルに①を入れて混ぜ、味噌を入れて混ぜ合わせ、4等分にして形をととのえます。
⑤フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ④を両面焼いていきます。
⑥⑤にフタをして弱火にして、片面を5分ずつ焼いて裏返しし、フタを開けて焼いて火を通します。
⑦⑥をフライパンから皿に盛り、★をフライパンに入れて火にかけて煮立ったら、弱火にして2分煮ます。
⑧⑦にしっかりと火が通ったら水溶き片栗粉でとろみをつけます。
⑨ハンバーグに⑧のソースをかけて、刻んだ大葉をのせたら出来上がりです。
魚介のグラタン
冷凍庫の魚介を一気に使う楽チングラタン
【材料】2人分 調理時間15分
マグロ 100g
茹でタコ 100g
茹でエビ 100g
ミニトマト 6個
ブロッコリー 1/6株
塩 少々
こしょう 少々
★おろしにんにく 小さじ1/4
★マヨネーズ 大さじ2
★生クリーム 大さじ2
★バジルソース 小さじ1
★オリーブオイル 大さじ1
ピザ用チーズ 20g
【作り方】
①茹でタコ、茹でエビ、マグロは食べやすい大きさに切っておきます。
②ブロッコリーは茹でて、食べやすい大きさに切っておきます。
③グラタン皿に①②とトマトを入れて、塩、こしょうをします。
④③に★の調味料を混ぜ合わせてかけていき、ピザ用チーズをのせいます。
⑤④をトースターに入れ、焼き目がつくまで焼いて出来上がりです。
まとめ
刺身の冷凍の保存方法とレシピを紹介しました。刺身を最後までしっかり使い切るために、できるところから始めてみましょう。